本当に効果があったの? 〜外断熱実例物件 インタビュー〜

平岡産婦人科 (長野県建築士事務所協会 作品表彰 平成20年度)

外断熱工法で施工された産婦人科医院の平岡院長と奥様にお話をお伺いしました。
平成19年2月に竣工し、夏と冬と使用された感想をお聞きします。

外壁:湿式外断熱工法「シュトー」断熱材EPSボード 厚さ70㎜
開口:木製サッシ ペアガラス

Q

外断熱工法を採用されたのはどんな理由からですか?

A

倉橋先生(倉橋英太郎建築設計事務所)から「外断熱」を進められました。しかし、実際に「外断熱」がどのようなものか分からなかったため、実際に外断熱の建物を見学したいと思いました。すると、近くに外断熱を採用した結果、冬場無暖房の状態を実現したという介護施設があるという事を聞き、ぜひ見学したいと思い、視察に訪れました。実際に体感をしてみて暖房設備を用いていない状態で、どの部屋にいっても室内温であることにとても衝撃をうけ、ぜひ「外断熱」を採用をしたいと思いました。

Q

実際にお使いになられていかがですか?

A

医院と母屋が廊下でつながっているのですが、母屋(鉄骨造+外壁ALC)は、冬底冷えがひどくとても寒いです。(奥様談)しかし、一歩医院に入ると非常に暖かいので、とても仕事がしやすくなっています。
午後の外来休診の日では、エアコンを切っていますが、翌日医院にいくと、冬は暖かさが残っています。また、夏においても涼しさが残っているという状況でした。これには大変驚きました。その結果、エアコンは夏ドライモードで充分です。冬ですと、エアコンはほとんど使用せず、床暖房のみという場合がほとんどとなっています。大変快適に仕事ができています。
余談ですが、3Fの南側に大きなテラス、バルコニーを作りました。大きな窓を取り付けたので、山並みがバックに映えてとても気に入っています。(入居者の方にも好評です)

Q

非常に快適に使用されているようですが、電気代はどうでしょうか?

A

全光熱費が月平均21万〜27万(冬場が27万です)円ですね。当初予定していた金額より安くなっています。

Q

外装についてはどうしょうか?

A

始めはタイル仕上げにしたいと思っていました。でも、実際のできをみて大変満足しています。

年間を通して安定した室内温度は、出産前の妊婦さんにとっては、身体的にも精神的にも体に負担のかからない安心な居住環をもたらしたようです。


外断熱マンション(ブライトンコート三田)

外断熱で施工された賃貸マンション「ブライトンコート三田」(東京都港区)のオーナー須藤芳隆氏にお話を伺いました。
平成18年3月に竣工し、2年経過した今、オーナーさんと住民の方の反応は・・・。

外壁:湿式外断熱工法「シュトー」 断熱材EPSボード t70㎜
開口:樹脂製サッシ Low-Eペアガラス

Q

外断熱工法を採用されたのはどのような理由だったのですか?

A

賃貸マンションを企画するにあたって、最初に父が私に言ったことは、「地方から子供を都会へ出す親御さんは心配だろうな・・・。自分の子供を入居させると思って考えなければだめだ。」という言葉でした。
同じ場所にあった以前父が所有していた鉄筋コンクリート造の建物が20年たらずで壁面に爆裂をおこし、長持ちしませんでした。また、壁からの雨漏りなのか、カビがひどく、体調不良におちいったこともありました。良い状態で長持ちをさせる工法はないかと思い、様々な建築工法を探しているうちに外断熱工法に辿り着きました。
外断熱工法はコンクリートの保護性能に加え、室内の温度が安定し、また結露やカビの抑制に有効等、健康にも環境にも貢献があることを知り、本物の外断熱を見つけた時は長年探していた大切な人に出会ったような感動を覚えました。

Q

外断熱にすると建設費が上がることに抵抗はなかったのですか?

A

確かに最初はコストが高いと思いました。しかし長期的視点に立てば、建物の寿命が延びるので1年あたりの建築コストは決して高くなるわけではないと思います。賃貸住宅経営は設備、外観、間取りも新しい築10年までは運営は難しくないと思うのですが、それ以降が本当の勝負です。目先の収支よりも将来的な競争力に注力すべきだと思います。
外断熱の快適で健康によく、環境にも良いというメリットは建物が古くなっても陳腐化しないと考えました。
現在では、賃料下落リスクを回避し、高稼働率を維持するための大きな鍵になると確信しています。

Q

マンションのご計画の際に他に気を使われたことはありますか?

A

第一点として建物周辺が繁華街のため、防音に気を使いました。住民の方に都会の中でも静かな環境の中で過ごして頂くために、防音効果の高い樹脂サッシを採用しました。外断熱同様、断熱効果も考慮の内でしたが、気密性、遮音性能がより高いということが決定理由でした。夏の暑さ対策のため、ガラスは遮熱効果の高いLow-Eペアガラスにしました。
二点目は、「住宅性能評価」のそれぞれの項目をより高いレベルで取得することでした。コストに跳ね返ってきますが、これも今後の住民の方の為になると思いました。断熱性能が高いので省エネでは最高クラスです。ランニングコストの光熱費が下がれば入居者の負担も減ると思うのです。

Q

CO2削減の貢献と住民の方の冷暖房費も下がりますね。
外断熱であることが入居率に繋がりましたか?

A

竣工後の最初の入居者の方はあまり外断熱であるということは意識されないで入居を決められたようでした。初めての外断熱マンションであったので、実際の効果の声を聞くまで、「外断熱」のキャッチフレーズだけの呼び込みは大きくは出しませんでした。
しかし皆住まわれてから、今まで住んでいたマンションと快適さがはっきり違うことに気づかれたようでした。
その後入居者の紹介で事前に部屋を確認することなく入居を決められた方がいました。また空室が出るまで入居を待っている方もいるほどです。
空室期間は退去時のクリーニングや修繕に必要な日数程度で、入居稼動率は約99%に近い状態です。

Q

住民の方の反応はいかがですか?

A

住民の皆さんにアンケートを出してみました。感想のなかで多かったものを列記すると

・冬季はとても暖かく暖房はほとんど使用しなかった。
・結露が発生しない
・冷房のききめが早く感じられる
・夏季は帰宅時の室内の暑さが和らいでいる気がする。
・電気代は比較していなので安くなったのか分からない

Q

いい反応のお話が多いですが、悪い点はないのですか?

A

夏場夕方に帰ってきたときに、暑いと感じたという方がいました。日中の窓から入る熱が断熱性能が高い分室内にこもってしまうからでしょうか。日射取得を減らすために遮熱ガラスにしていますが、庇を設けるなどしないと窓を閉め切った状態での都会の生活ではいろいろ工夫しないといけないのですね。住民の方には日中不在の時はカーテンを閉めて出かけてもらうようにすすめました。暮らし方にも工夫が必要なのですね。

Q

最後にサイトをご覧になっている方にメッセージをどうぞ

A

外断熱工法は、建築に関わる方には認知されはじめているかもしれませんが、一般の方にはまだ浸透していないと思います。
ハウスメーカーさんの外張り断熱のコマーシャルのおかげで、断熱材に対する認識は出始めているかもしれませんね。建物の断熱化が進み、省エネ対策と快適な居住環境の住宅が今後増えていってほしいものですね。

有難うございました。

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